愛知工科大学 電子制御・ロボット工学科 永野研究室

研究のねらい


〜人とコンピュータとを情報デバイスを用いて、人の可能性を広げる研究をしています〜


 コンピュータからの情報の多くは液晶ディスプレイとスピーカを通して私たちの視覚と聴覚へ伝えられます。一方、私たちからコンピュータへの情報伝達については、以前はキーボードやマウスが主流でしたが、最近ではタブレットやスマートフォンに代表されるようにタッチパネルが多くなってきました。もっと進んだものでは、音声入力だけでなく人間の動きを使えるものもあります。

 コンピュータ性能の向上は家庭用ゲーム機の映像処理能力からわかるように、3次元空間をリアルタイムで表示できるようになっています。しかしながら、その情報提示の多くは視覚と聴覚を通したもので、例えば物体の硬さや感触などの質感を提示するには限界があります。

 現実のような世界を、人の感覚を刺激して作り出すことをバーチャルリアリティと呼びます。いリアリティのバーチャルリアリティを作りだすためには、視覚と聴覚だけでなく、たとえば触ったり押した感じである触覚や力覚などの人間の多くの感覚に作用することが大切になります。この実現には、その感覚を人に提示することのできる新しい情報デバイスが必要となってきます。

 永野研では、今の社会が要求されている課題を解決するための新たな情報デバイスや、既存の情報デバイスをうまく利用する方法を研究しています。

 情報デバイスの研究開発には、コンピュータの技術だけでなく、電気の技術や、機械の技術も必要となってきます。一方、デバイスを含むシステムは、人が使用するのですから、システムを使いやすく設計をする人間工学的な人への気配りを考える力も重要となってきます。





医療分野の研究



もっとも高度な指先の技をもっているのは人の命を預かる医師のように思います。手術具を操り方や、患者の状態を把握するための指先の感性などが優れている必要があるでしょう。永野研究室では、次の2つの研究に取り組んでいます。

@脳神経外科医の行うカテーテル手術に着目し、その操作を支援する機器の開発





A温冷覚と圧覚を同時提示できるデバイスの開発






芸術分野の研究(2014年度スタート)



芸術家は一般人より優れた感性を持っています。芸術表現にコンピュータなどの技術を用いたものをメディアアートと呼んでいます。これは人とコンピュータを感性で繋げるものといえます。永野研究室では、人と対話できる動的なプロジェクションマッピングの研究と、プロジェクションマッピングの提示する視覚に加えて他の感覚に同時に情報提示するデバイスの研究を行っています。