愛知工科大学 電子制御・ロボット工学科 永野研究室

平成24年度


柔軟な螺旋物を製作するロボットハンドの開発研究 〜ソフトクリームロボットへの適用〜

福祉や食品分野にもロボットが活躍しています。本研究では、その中でソフトクリームを選び、ソフトクリームを作成するロボットハンドの開発を行いました。コンビニなどで店員のソフトクリーム作成プロセスを観察すると、その作成の技は次の二つに絞られると思われます。(1)コーンまたはカップを地面と垂直に持つ、(2)その手を地面と水平にし,コーンの円周と同じ円周の円を描くように動かす。一方、店員によってソフトクリームの出来具合に違いがあるように、ほかにも隠れた技があることが考えられます。本研究では、開発したロボットハンドのソフトクリームの出来具合からその技についても考察をしました。(研究担当:鈴木君)

ロボットフィンガーの開発研究 〜タッチの解析〜

ここ十年余りのロボット技術の開発は目覚ましく、人間の技に迫ろうとしています。繊細な指先の動作は人間が他の動物と最も異なるところであり、ロボットが模ねるのが難しい部分です。微妙な指先動作を必要とするピアノには、タッチと呼ばれる独持の技法があります。本研究では,ピアノ演奏用の高速のロボットフィンガーを開発し、タッチの神髄の解析を試みました。タッチの解析結果から,ロボットフィンガーで鍵盤を弾かせるには、打鍵の速度を高精度に制御する必要があることが分かりました。さらにタッチの解析を進めるためには、打鍵速度をストローク量に合わせて変化させるなどの複雑な速度パターンを用いる必要があることも分かりました。(研究担当:井柳君)

圧覚デバイスの開発研究 〜触診トレーニングマシンへの応用〜

近年、力覚デバイスを用いた仮想現実が盛んであり、反力を用いた手術シミュレーションなどが可能となっている。多く利用されている力覚デバイスは反力しか提示できず、現実の触覚に比べて提示する情報量が十分ではありません。本研究では新たな触覚の提示へとして、圧覚を提示するデバイスを提案します。開発した圧覚提示デバイスは、ゴム製の球形の被膜同士を管で繋げ、片方に圧力を掛けることで内部の空気圧を変動させ、提示する圧力を制御する構造となっています。片方から圧力を加えると、逃げ場を失った空気はもう片方となる球体へと移動し、ゴムの伸長と同時に硬度が変化をします。この原理を用いて様々な圧覚をゴムの球体で提示します。(研究担当:榑松君)

力覚デバイスを用いた手術シミュレータの開発研究 〜切開シミュレーションへの適用〜

近年,コンピュータを用いたバーチャルリアリティの発展が著しく、各種シミュレータに応用されています。例えば、医療の現場における手術訓練の充実があります。本研究では力覚デバイスを用いて切開のシミュレータを開発しました。力覚デバイスはSensable社のPhantomOmniを用いています。PC の中にはOpenGLを用いてコンピューターグラフィックで描かれた仮想の肌モデルがあり、肌モデルをPhantom で触ることで人肌の感触,さらに切開をする感触を再現しています。(研究担当:高山君)