愛知工科大学 電子制御・ロボット工学科 永野研究室

平成25年度


圧覚・温冷覚デバイスの開発研究 〜触診トレーニングマシンへの応用〜

動物や献体では十分な手術訓練を実施することは困難です。この対策の一つとして近年、力覚デバイスを用いた仮想現実が盛んであり,手術シミュレーションなどに応用されています。しかし、力覚デバイスの提示は主に反力だけであることが多く,現実の触覚に比べて提示する情報量が十分ではありません。昨年、当研究室では空気を用いて硬度を提示する圧覚デバイスの開発研究を行いました。本研究では、この圧覚デバイスの開発を推し進め、硬度と温度を同時に提示できるデバイスを開発しました。(研究担当:清水君)

GPGPUを用いた皮膚モデルの構築と触診シミュレータの開発研究

近年、コンピュータを用いたバーチャルリアリティの発展が盛んであり、各種シミュレータへの応用がされています。例として、医療現場での訓練の充実であります。しかし、特定の症例に対する訓練をする場合、その訓練協力者を確保することは難しく、さらに、実際に多くのサンプルを扱った訓練は極めて困難です。本研究では一般的な訓練として脈診に着目し、脈拍を提示することで現実味のある訓練が可能なシミュレータを開発しました。(研究担当:鈴木君)

カプセル内視鏡ロボットの遠隔移動に関する基礎研究  〜磁気式移動システムの開発〜

新たな低侵襲医療として消化器官の内壁を撮影するカプセル内視鏡が臨床応用されています。さらに進んだ研究では自走式タイプや血管へのアプローチ行われています。外部からコントロール信号を送る自立式移動タイプの場合、ロボット内部の制御マイコンの異常などによる移動不能の危険性があるため、本研究ではロボットの駆動方法を単純化し,磁力により外部から直接駆動する方法を用いました。(研究担当:柴田君)

微細作業支援システムの開発研究 〜マイクロサージャリーへの適用〜

顕微鏡下手術とは、顕微鏡で術野を拡大し、術具を細かく操作する手術法です。直径約1.0oの血管を毛髪より細い糸を用いて縫合を行うなど、医師に高い技術が要求されています。手術の精度を向上させるために、指先の操作を縮小できるツールが望まれており、本研究では、この手術を支援するためにマスタースレーブ方式を用いた微細作業支援システム装置を開発しました。実際の治療操作は複雑であるので、まず初めに米粒に複数の文字を書けることを目標とし、その評価として筆点の間隔などを用いました。(研究担当:寺田君)

物理シミュレーションを用いた受動歩行の開発研究 〜安定条件の探求〜

動力を使わずに歩行を実現する方法の一つとして受動歩行が存在します。本研究の目的は、blenderを用いた物理シミュレーションにより、PCの中に構築した受動歩行モデルを歩行させることです。本研究において、最終的に一歩の受動歩行をシミュレーションすることに成功しました。実物のモデルにおいても歩幅を一定にする特殊な補助具を用いなければ、複数歩となる連続した歩行の実現は難しく、本シミュレーションの結果は妥当であると考えられます。(研究担当:竹井君)